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【脱税とは?】時効の成立はない?経営者が知っておきたい脱税のリスクと節税との違い!

経営者が知っておくべき脱税と節税との違い!※時効年数・リスク

今回は、経営者なら知っておきたい『 脱税 』について、節税との大きな違い、時効年数や脱税のリスクなど詳しくご紹介させて頂きます。

法人や個人事業主であれば、出来る限り納める税金を安くしたいと思うのは当然のこと。しかし、正しい知識を持って節税対策を行い、申告や納税をしないと脱税につながる恐れもあります。

脱税にも時効はありますがほぼ成立することはなく、発覚するとペナルティや罰則などの大きなリスクを背負う事になります。

今回はそんな「脱税」に関して、以下の点についてまとめてみました。

・脱税とは何か?租税回避や申告漏れ、節税との違いは?

・脱税がバレるとどうなる?発覚した場合のペナルティやリスク

・脱税の時効は何年?時効がほぼ成立しないのは何故?

脱税とは?租税回避、申告漏れ、所得隠しとの違い

まずは、脱税とはどのような行為なのか、また租税回避・申告漏れ・所得隠しなどとの違いについて解説します。

そもそも脱税とは?

脱税とは、納税義務者が不当に納税義務を免れる、また法律の範囲を外れて税負担を軽減する行為です。

脱税は刑事罰の対象となる犯罪行為で、悪質な場合は懲役刑や罰金刑などの罰則が科されます。

租税回避、申告漏れ、所得隠しとの違い

脱税以外にも、税を免れる行為として租税回避、申告漏れ、所得隠しなどがあり、それぞれの違いは以下の通りです。

租税回避

租税回避とは、税法の想定を超える方法によって法律の抜け穴を利用し、税負担を軽減・排除する行為です。

脱税のように違法性はないため、犯罪に問われたりペナルティを受けることはありません

ただ、特殊な方法で税負担の軽減や排除を行う公平性に欠ける行為であるため、 税法の範囲内で行われる「節税」と比べるとグレーゾーンな行為とされています。

社会的に問題視されていることもあり、今後税法の改正などにより、法律で規制される可能性もあります。

申告漏れ

申告漏れとは、経費の計上ミスや計算ミスなどによる納税額の過少申告や、期限内に申告の手続きをしなかった場合などを指す言葉です。

脱税や所得隠しなど、意図的に税負担を減らそうとして行った行為ではないという点が大きな違いです。

ただ、申告漏れにもペナルティがあり追加で税金が科されます。

所得隠し

所得隠しとは、架空の経費の計上や売上の隠蔽、書類の改ざんなど、意図的に納税額の偽装や隠蔽を行い税負担を減らそうとする行為です。

うっかり間違って計上してしまった場合などの申告漏れと違って、意図的な行為であると判断されるためその分ペナルティも重くなります。

また、より悪質な所得隠しは検察庁に告発され「脱税」として刑事罰の対象となります。

脱税にあたる行為

税務調査で指摘されやすい脱税にあたる行為には、具体的に以下のようなものがあります。

売上の隠蔽売上の一部を隠して金庫や口座などに振り分け、意図的に利益を少なくして税負担を減らす行為
経費の架空計上実際には支出していない費用、 架空の交際費や物品購入費、人件費などの経費を計上して利益を減らす行為
仕入れの水増し経費の計上を増やすため、仕入れ単価や数量などを水増しして利益を減らす行為
在庫の過少申告資産とみなされる在庫量を減らして利益を少なく見せるため、実際の在庫量より少なく申告する行為
二重帳簿の作成税金の申告用に売上や利益を少なく計上した帳簿を、本当の利益を計上した帳簿とは別で作成する行為
日付の偽装期末間際の取引や経費に関して、実際は翌期の経費となるものを日付を偽装して当期の経費として計上する行為

税務調査の際には、上記のような脱税にあたる行為が行われていないかを入念にチェックされます。

バレるとどうなる?脱税で受けるペナルティやリスク

続いて、脱税がバレる経緯、バレた場合のペナルティやリスクなどについてご紹介します。

脱税はどうやってバレるの?

脱税が発覚する経緯はさまざまですが、主に以下のようなケースが考えられます。

税務調査

税務調査は、主に中小企業や個人事業主を対象に税務署が行うもので、申告に誤りがないかを入念に調査されます。

どういった会社が税務調査の対象となるかどうかは、選定の基準がないため分かりません。

利益が大きい会社や開業から数年経過した会社などは調査対象となりやすいようですが、業種や業務内容なども関係なく、どのような法人・個人事業主も税務調査の対象となる可能性があります。

税務署は脱税の手口などについて熟知しているため、税務調査に入られて脱税がバレてしまうケースは最も多いです。

税務調査は任意調査であり事前に告知もありますが、金額が大きく悪質な脱税行為が疑われる場合には、国税局査察部(マルサ)による査察調査(強制捜査)が行われます。

反面調査

反面調査とは、税務調査に選定された会社と付き合いがある取引先や銀行などを対象に行われる調査です。

税務調査の対象となった会社において、帳簿の不備や脱税の疑いなどがあった場合に、正確な情報を集めるために反面調査が行われます。

反面調査は、事前に連絡すると口裏合わせをする可能性があるため、突然行われることが多くなっています。

この反面調査により、雪だるま式に自社の脱税がバレるケースもあります。

資産状況

資産状況に不自然な点が見られると、税務調査の対象となり脱税がバレるケースもあります。

例えば、不動産などを取得した際には法務局で不動産登記を行いますが、この情報は法務局から税務署へと伝わるようになっています。

このような大きな資金の動きがあった場合に、税務署で把握している法人・個人の財産や収入と、支出のバランスが見合っていないなど疑われる部分があると、そこから税務調査の対象となる事があります。

情報提供

国税庁では、情報提供の窓口が設けられており、電話や郵送・webサイトなどから誰でも簡単に脱税の情報提供(密告)を行うことができます。

情報提供者のプライバシーは守秘義務により守られているため、特定されることはなく外部に情報が漏れることもありません。

このような情報提供(密告)により、税務調査が入り脱税がバレてしまうケースもあります。

脱税に対するペナルティ

脱税が発覚した場合、未納分の税金の支払いに加えて、ペナルティとして以下のような加算税が追徴課税されます

脱税の発覚した時期や悪質性など、それぞれの状況により課税割合が異なります。

不納付加算税 源泉所得税を納付期限までに納めなかった場合に科される税金 5%~10%
過少申告加算税 申告期限内に申告をしたが、誤って税額を過少に申告してしまった場合に科される税金
(※申告漏れ)
10〜15%
無申告加算税正当な理由なく定められた申告期限までに申告しなかった場合に科される税金
(※申告漏れ)
15〜20%
重加算税意図的に納税額の隠蔽や偽装を行い、無申告や過少申告を行なった場合に科される税金
(※所得隠し・脱税 )
35%~40%

上記の追徴課税に加えて延滞税の支払い、また一括納付が出来ない場合には利子税などの支払いも必要になってきます。

悪質な場合は刑事罰を受けることも

脱税の額が多額であった場合や、脱税行為が極めて悪質と判断された場合には、懲役や罰金などの刑事罰を受ける可能性もあります。

  • 懲役刑・・・10年以下の懲役
  • 罰金刑・・・1000万円以下の罰金(※罰金の上限は脱税相当額まで増額となる場合も)

追徴課税に加えて上記のような刑事罰が処されることになるため、かなり重いペナルティとなります。

脱税は社会的信頼を大きく下げる

脱税が発覚した場合、追徴課税や刑事罰などの重いペナルティだけでなく、社会的信頼を大きく下げてしまうというリスクもあります。

脱税に対する社会からの目は厳しく、会社の信用やイメージ、経営者自身の信頼を失います。

一度信頼を失うと元の状態に戻すことは難しく、今後の経営にも大きく影響を与えることになるでしょう。

一時的に税の負担を抑え会社としての利益を上げたとしても、脱税がバレた場合のリスクはかなり大きいものになります。

脱税の時効は何年?時効がほぼ成立しない理由

脱税にも時効は存在しますが、成立することはほとんどありません。続いては、脱税の時効について詳しく解説します。

脱税の時効年数

脱税の時効が適用される年数は、申告の状況などにより以下のように異なります。

3年で時効

申告期限内に確定申告を行っている場合は、申告期限の翌日から3年で時効が成立します。

ただし、この3年で時効の対象となるのは「課税標準申告書を提出する国税」となっています。

しかし現状では、主要な国税で課税標準申告書を提出する国税がないため、実質的には3年で時効が成立することはありません。

5年で時効

申告期限内に確定申告を行っていない場合は、申告期限の翌日から5年で時効の成立となります。

ただし、申告内容に虚偽があったなど、脱税の意思があったと判断される場合には時効期間は7年になります。

7年で時効

虚偽の申告や不正行為など、あきらかな脱税行為が認められる場合は、申告期限の翌日から7年が時効成立となります。

脱税の時効はあるが、ほぼ成立しない

前述のように、状況による年数に応じて時効は成立しますが、実際は脱税の時効が成立することはほぼありません。

なぜなら、時効には中断があり、時効期間内に税務署から督促状などが送られてきた場合、その督促状が届いた時点で時効期間はリセットされるのです。

つまり、時効が成立するまでには、その時点から更に7年の期間を要することになります。

税務署は税金を徴収するプロであり、実際に脱税の時効を迎えるまで逃げ切ることはほぼ不可能と言えます。

また、時効期間がリセットされても、未納となっている税金に対する延滞税は増え続けるため、期間が長引くほど支払う税金は大きくなっていきます

正しく理解しておくべき節税と脱税の違い!

節税と脱税は大きく異なるものですが、違いを正しく理解し適切な節税を行わないと、脱税と疑われる可能性もあるため注意が必要です。

節税のつもりが脱税になる可能性も

税法上で定められた範囲内で税負担を軽減する方法が節税であり、犯罪行為にも値する脱税とは大きく違います。

しかし、節税と脱税の境界線など税務に関しては難しい部分もあり、節税のつもりで行った行為が、脱税と疑われてしまう可能性があります

また、意図的に行った行為でなくても、誤った経費の計上や申告漏れなどが指摘された場合はペナルティが発生します

申告の訂正などに時間や手間が取られるだけでなく、無駄な税金を支払うことになるため、間違った節税を行わないよう十分に注意する必要があります。

税務処理、税務調査が不安なら専門家に相談を

会社を経営していく上で節税は欠かせないものであり、適切な節税対策を行えば税負担を大きく軽減することが可能です 。

もし、節税対策や確定申告など税務に関して不安があるなら、専門家に相談するのがおすすめです。

税務の専門家である税理士なら、

  • 税務に関する相談(税法や税額の計算など)
  • 税務書類の作成(申告書・申請書など)
  • 税務手続き(申告・請求・不服申し立てなど)
  • 税務調査の立会い

など幅広く対応することが可能です。

税理士は税務署からの信頼も得やすく、税理士が代行して確定申告をすると、突然税務調査に入られる心配も少ないと言われています。

万が一、税務調査に入られたとしても税理士の立会いのもと、安心して対応する事ができます。

また税理士は、上記のような税務処理以外にも、資金繰りなど経営に関する相談(助成金・補助金・金融機関の融資など) や、独立・開業の支援、贈与・相続の申告や生前対策などの業務も対応可能です。

脱税の時効が成立する可能性は極めて低く、発覚した場合のリスクはかなり大きなものになります。日頃から正しい節税対策を行い確実な申告・納税を行う事が大切です。
不安を感じる場合は、税務に関する豊富な知識と経験のある税理士に相談するのがおすすめです。

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