大阪府守口市にある『野村和也税理士事務所』のWEBサイトです。守口市だけでなく門真市、寝屋川市、大東市や、神戸、京都など関西地域の個人事業主、経営者様のサポートをしております。
【大阪府守口市】野村和也税理士事務所
06-6997-3777
09:00~18:00(月〜金)

【税理士監修】個人事業主必見!生計を一にしない家族への給与に関する完全ガイド

生計を一にしない家族への給与 【完全ガイド】


今回は『 生計を一にしない家族への給与 』について詳しく解説させて頂きます。


「個人事業主 生計を一にしない家族給与」というキーワードで検索されている場合、ほとんどは個人事業主として家族に給与を支払う際に、その給与を経費として計上する方法を知りたいと思っている、または家族に給与を支払う際のポイントを知りたいのどちらかではないでしょうか。今回の記事では、その疑問を解決するための具体的な方法や以下のポイントについて分かり易く解説します。


・生計を一にしない家族への給与を経費にする具体的な手順

・生計を一にしない家族の定義と重要性

・税務調査対策のポイント


今回の記事をご覧頂ければ、家族への給与の適切な経費計上と、節税効果を最大限に活用できる方法を理解できるようになります。そして、個人事業主としての税務リスクを軽減し、経営をより効率的に進めることができるでしょう。税務面での不安を解消し、より安心して家族に給与を支払うためにも、是非最後までご覧頂ければと思います。


このページで分かる事

生計を一にしない家族とは?基礎知識と具体例を紹介!


「生計を一にしない家族」とはどのような事を意味するのか、家族の要件や範囲など、まずは基本的な事についてしっかり理解しておきましょう。


そもそも「生計を一にする」とは何か


生計を一にするというのは、家計が一緒であることを指します。

つまり、同じ家計簿の中で生活費や収入が管理されている状態を意味します

例えば、夫婦が共同で家計を運営し、収入と支出を一つの家計簿で管理する場合、これは生計を一にしている状態です。


生計を一にする家族の要件


生計を一にする家族の要件としては、以下のような事が当てはまります。


生計を一にする家族の要件
  • 住居が同じであること・・・同じ家に住んでいることが重要
  • 生活費が共有されていること・・・収入や支出を一緒に管理している
  • 家計を一緒にしていること・・・生活費や家計費を一つの口座や財布で管理している

上記の要件を満たしていれば、生計を一にしていると判断されます。


生計を一にする家族の範囲


生計を一にする家族の範囲は、基本的に以下のようになります。

生計を一にする家族の範囲
  • 配偶者・・・夫や妻は当然に生計を一にすることが多い
  • 子供・・・特に同居している未成年の子供
  • ・・・同居している場合や、生活費を依存している場合

上記の家族は、通常生計を一にする家族として扱われます。


生計を一にしない家族の具体例


一方で、生計を一にしない家族とは、収入や支出を別々に管理している家族のことを指します。

具体的には以下のようなケースがあります。


家計は別々で同じ建物で暮らしている


親と子供が同じ家に住んでいるが、家計は別々にしている場合です。

親は親の収入で生活し、子供は子供の収入で生活費を賄っている状態です。


同棲または事実婚の状態で暮らしている


正式に婚姻届を出していない同棲や事実婚のカップルが、それぞれの収入で生活している場合です。

こちらのケースも、生計を一にしない家族と言えます。


別世帯で自立した子供が生活している


大学生や社会人の子供が親元を離れて、自立して生活している場合です。

収入も生活費も自分で管理しているため、生計を一にしていない事になります。


両親が年金で暮らしている


両親が年金で生活しており、子供とは家計を共有していない場合も、生計を一にしない家族の例です。

親の収入源は年金であり、子供の収入とは関係がありません。


生計を一にしない家族への給与の経費計上方法


続いては、生計を一にしない家族への給与の経費計上方法について詳しく解説していきます。


家族への給与を経費にできる?


生計を一にしない場合の給与の経費計上


個人事業主が生計を一にしない家族に給与を支払った場合、その給与を経費として計上することが可能です。

具体的には、家計を別々にしている親族や同棲中のパートナー、自立して別世帯で生活している子供などに対する給与が該当します。

生計を一にしない家族に対する給与は業務に従事している限り、適正な対価として経費に計上できます

このため、適切な手続きを踏めば節税効果を得られる可能性があります。

例えば、個人事業主のAさんが、自宅とは別に住んでいる子供Bさんを手伝いとして雇い、毎月給与を支払っている場合、Bさんの給与は経費として計上することが可能です。


青色事業専従者給与の特典を使う


青色事業専従者給与は、青色申告を行っている個人事業主が、生計を一にしない家族に対して支払う給与を経費として計上するための制度です。

以下の条件を満たしていれば、青色事業専従者給与として認められます

青色事業専従者給与の条件
  • 家族が事業に専従していること
  • 届出を提出していること
  • 適正な金額で給与が支払われていること

白色申告でも経費になる


白色申告の場合でも、生計を一にしない家族に対する給与は経費として計上することが可能です。

白色申告の事業専従者控除制度では、家族に支払う給与が控除対象となりますが、控除額には一定の制限があります

青色申告に比べて控除額の上限が設けられているため、青色申告の方が有利な場合が多いです。

例えば、事業主の妻に対しては年間86万円までの控除が認められます。


青色事業専従者給与額の決め方と節税効果


ここでは、青色事業専従者給与について詳しく見ていきましょう。


青色事業専従者給与額の決め方


青色事業専従者給与の額は、事業の規模や内容に応じて決定します

適正な金額を設定することが重要であり、過大な給与は認められない可能性があるため注意が必要です。

一般的には、同業他社の給与水準や労働時間を参考にし、適正な範囲内で設定します。

例えば、Aさんの事業が小規模である場合、Bさんに対する給与を市場相場に合わせて設定することが推奨されます。

これにより、税務署から過大な給与とみなされるリスクを回避する事ができます。


青色事業専従者給与の節税効果


青色事業専従者給与を活用することで、個人事業主は所得税の負担を軽減する事ができます。

家族に支払う給与が経費として認められるため、事業所得が減少し、結果として課税所得も減少します。

この制度を適切に利用することで、家族全体の税負担を減らすことが可能です。


損失の繰り越しを行う方法


個人事業主が事業において損失を出した場合、青色申告をしていることで、その損失を翌年以降に繰り越すことが可能です。

これにより、将来の所得から損失を控除し、税負担を軽減することができます。


臨時的に生計別の親族に手伝ってもらった場合


生計を一にしない親族が一時的に事業を手伝った場合、その労働に対する報酬も経費として認められることがあります

ただし、臨時的な労働に対する報酬であることを明確にし、適正な金額を支払う必要があります


臨時的に生計一の親族に手伝ってもらった場合


生計を一にする親族が一時的に事業を手伝った場合においても、その労働に対する報酬が経費として認められることがあります

ただし、こちらも臨時的な労働であることを明確にし、適正な金額を支払うことが必要です。


個人事業主、フリーランスは青色申告がおすすめ


個人事業主やフリーランスの方には、青色申告が非常におすすめです。

青色申告を行うことで、青色事業専従者給与をはじめとするさまざまな税制優遇を受けることができます

例えば、家族への給与を経費として計上し、さらに損失の繰り越し制度を活用すれば、大幅な節税効果を得る事ができます。

これにより、税負担を軽減し、経営を安定させることが可能です。


親族への給与支払いに関する解説と税務調査対策


ここでは、親族への給与支払いと税務調査対策について詳しく解説していきます。


個人事業者における家族への給与の取り扱い


個人事業者における家族への給与の支払いについて、生計一親族と生計別親族それぞれのケースを見ていきましょう。


生計一親族への給与の支払い


個人事業者が生計を一にする親族に給与を支払う場合、その給与は生活費の一部とみなされるため、経費として認められないことが多いです。

給与支払いが実質的に自己の収入とみなされるためです。

例えば、夫が妻に支払う給与は、家庭内の収支として扱われ、経費として計上することはできません。

妻が同居し生活費を共有しているため、この給与は実質的に家庭内での収支に過ぎないと判断されます。


生計別親族への給与の支払い


個人事業者が生計を一にしない親族に給与を支払う場合、その給与は経費として認められる可能性が高いです。

生計を別々にしているため、この支払いは業務に対する適正な対価とみなされます


税務調査対策


税務調査により、家族への給与が経費として認められない場合があります。

税負担を最小限に抑えるため、税務調査対策はしっかりと行っておきましょう。

以下のようなケースでは、経費として認められない場合があるため注意が必要です。


青色事業専従者給与に関する届出を行っていない場合


青色事業専従者給与を経費として認めてもらうためには、事前に税務署に届出を提出する必要があります

この届出を忘れてしまうと、後で経費として認められなくなることがあります。


青色事業専従者給与の届出の額以上に給与を支払ってしまっている場合


青色事業専従者給与として認められる給与額は、事前に税務署に届出をした額に限られます

もしそれを超える額を支払ってしまった場合、その超過分は経費として認められません。


白色申告の場合の事業専従者控除に対する認識の誤り


白色申告の事業専従者控除も、青色事業専従者給与と同様に、一定の条件を満たさなければなりません

事業専従者控除の条件を満たさない場合、控除が認められなくなることがあります。


事業専従者と判断されない場合


青色事業専従者給与や事業専従者控除の適用を受けるためには、家族が専ら事業に従事している必要があります

もし専従していないと判断された場合、その給与は経費として認められません。

例えば、個人事業者Aさんの息子Bさんが、週に数時間だけ事業を手伝っている場合などは、専ら事業に従事しているとはみなされないため、給与が経費として認められません。


配偶者控除または扶養控除の適用を受けている場合


家族に給与を支払う場合、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることができなくなります。

給与を支払うことで、これらの控除が適用されない点にも注意が必要です。

配偶者控除の適用が受けられなくなり、結果として税負担が増加するケースもあるため、事前に税務面での影響をよく考慮することが重要です。


生計を一にしない家族に給与を支払うメリット・デメリット


生計を一にしない家族を従業員として雇用し、給与を支払う事には、さまざまなメリットとデメリットがあります。それぞれの利点と欠点を十分に理解し、適切に活用することで、事業の運営をより円滑に進めることができるでしょう。


メリット


生計を一にしない家族に給与を支払うメリットとしては、以下のような事が挙げられます。


コストを抑えつつ信頼できる関係性のもとで働ける


生計を一にしない家族を従業員として雇用する場合、信頼できる関係性を保ちながら、外部の従業員を雇うよりもコストを抑えることができます

家族は既にお互いの性格や仕事の進め方を理解しているため、外部の従業員を雇う場合の採用コストや教育コストも削減でき、スムーズに業務を進めることができます。


所得を分散することによる節税効果


前述のように、家族への給与が適正な対価であり、実際に業務に従事している場合、その給与は経費として認められます。

家族に給与を支払うことで、所得を分散させることができるため、結果として節税効果を得ることができます。

事業主がすべての収入を得る場合に比べ、全体の税負担を軽減することが可能です。


従業員となる家族が給与所得控除を受けられる


家族が給与を受け取ることで、給与所得控除を受けることができます。

これにより、家族の税負担も軽減され、全体の家計における税負担が減少します。


従業員が家族の場合、労働保険が不要


家族を従業員として雇用する場合、労働保険の加入が不要となるケースがあります。

これにより、労働保険料の負担を削減することができます


デメリット


生計を一にしない家族に給与を支払うデメリットとしては、以下のような事が挙げられます。


仕事とプライベートの区別が難しい


家族を従業員として雇用する場合、仕事とプライベートを切り離す事が難しくなる場合があります。

家庭内での問題が仕事に影響する可能性があり、逆もまた然りです。

仕事とプライベートを区別するための努力が必要になってくるでしょう。


離職の際、関係性が悪化する可能性も


家族が従業員として離職する場合、個人的な関係に悪影響を与えることがあります。

特に、トラブルが原因での離職の場合、家庭内の関係性が悪化するリスクがあります

これを防ぐためには、事前に明確なルールや合意を設けておくことが重要です。


作業量が増える


家族を従業員として雇用する場合、事業主自身の作業量が増加することがあります。

特に、初めて家族を雇用する場合、業務の教育や指導に時間がかかり、事業主の負担が増えることがあります


個人事業主が家族を従業員として雇用する際の手順


個人事業主が家族を従業員として雇用する際には、様々な手順と注意点があります。これらを理解し、適切に対応することで、円滑な事業運営と節税効果を得ることができます。


雇用保険の加入手続きが必要


個人事業主が家族を従業員として雇用する場合、雇用保険の加入手続きが必要です

週に20時間以上働く従業員を雇用する場合は、雇用保険の加入が義務付けられています。

雇用保険は、従業員が失業した際の生活を支援するための保険で、加入することで従業員は失業手当などの給付を受けることができます。

加入手続きは、地域の公共職業安定所(ハローワーク)で行います


雇用保険の対象となる「労働者」とは?


雇用保険に加入するためには、従業員が「労働者」として認められる必要があります。

労働者とは、事業主から指示を受け、対価として給与を受け取る者を指します。

雇用保険の対象となる労働者には、以下の要件があります。


雇用保険の対象となる労働者の要件
  • 週20時間以上働くこと
  • 31日以上の雇用が見込まれること
  • 学生ではないこと

上記の要件を満たしていれば、従業員は労働者として認められ、雇用保険の加入対象となります。

家族への給与払いをする手続き方法


家族を従業員として雇用する場合、給与の支払い方法も重要です。

給与は、適正な対価として支払われるものであり、その金額や支払い方法は明確にしておく必要があります

家族への給与は以下の手続きを経て支払います。


家族へ給与払いする際の手続きの手順
  1. 労働契約を締結する
  2. 給与額を明確にする
  3. 給与明細を発行する

上記の手続きを適切に行うことで、家族への給与が適正な対価として認められ、経費として計上することができます。


個人事業主が青色申告をしている場合


青色申告を行っている個人事業主は、家族への給与を経費として計上することができます

青色申告を行うことで、青色事業専従者給与の特典を受けることができますが、適用するためには、前述のように、事前に税務署での青色申告の届出が必要です。


事業専従者控除の条件や控除額


事業専従者控除とは、白色申告を行う個人事業主が、家族を従業員として雇用する際に適用される控除制度です。

事業専従者控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。


事業専従者控除を受けるための条件
  • 家族が事業に専従していること
  • 事業専従者として認められること
  • 一定の控除額内で給与を支払うこと

上記の条件を満たしていれば、家族への給与が控除対象となり、所得税が軽減されます。


青色事業専従者控除の条件や控除額


青色事業専従者控除とは、青色申告を行う個人事業主が、家族を従業員として雇用する際に適用される控除制度です。

青色事業専従者控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。


事業専従者控除を受けるための条件
  • 青色申告の届出を行っていること
  • 家族が事業に専従していること
  • 事前に税務署に届出をしていること
  • 適正な給与額を支払っていること

上記の条件を満たしていれば、家族への給与が控除対象となり、節税効果を得ることができます。

家族を従業員で雇用する際の注意点やリスク


最後に、家族を従業員として雇用する際のリスクや注意点について解説します。


不当に高額な給与は認められない可能性がある


前述のように、家族を従業員として雇用する場合には、給与は適正な金額である必要があります。

税務署は、不当に高額な給与を経費として認めないことがあります

同業他社の給与水準や業務内容を参考に、適正な給与額を設定することが重要です。


家族の気持ちをきちんと確認しておく


家族を従業員として雇用する前に、家族の気持ちをきちんと確認しておくことも大切です。

家族が無理に働かされることがないように、事前に合意を得ておきましょう。

合意を得ておくことで、円滑な労働関係を築くことができ、家族内でのトラブルを防ぐことができます


専従者給与を給与手当に振り替える時の仕訳


専従者給与を給与手当に振り替える際の仕訳にも注意が必要です。

給与を正確に仕訳帳に記載して適切な経費計上を行い、税務署からの指摘を防ぎ
ましょう


今回は、個人事業主が生計を一にしない家族に給与を支払う際の方法と、注意点について詳しく解説してきました。
今回の記事の内容を踏まえ、適切に家族への給与支払いを行い、経費計上や税務対策をしっかりと行って下さいね。
家族の給与に関して不安な事や分からない事などございましたら、無料相談も行っている当事務所へ、是非お気軽にご相談ください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です